通関士 過去問
解説あり

試験最新情報

第60回(令和8年) 試験日
2026年10月4日(日)

試験日まで、60

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通関士について

通関士とは

通関士は、輸出入の通関手続に関する専門知識を持つ国家資格です。

通関士試験は、通関士として必要な知識や能力があるかを確かめるための国家試験です。通関業法に基づき、毎年1回実施されています。

 

通関手続とは、貨物を輸出または輸入するときに、貨物の品名、数量、価格などを税関へ申告し、必要な審査や検査を受けて、輸出または輸入の許可を得るまでの手続です。

輸入の場合は、原則として関税や消費税などを計算し、税金を納めたことが確認された後に輸入が許可されます。輸出では、貨物が輸出禁止品や輸出規制品に当たらないか、必要な許可や承認を受けているかなどを確認します。

通関士は、これらの手続が正確でスムーズに進むように支える専門家です。

 

なお、法律上の「通関士」とは、通関士試験に合格した人のうち、勤務先の通関業者の申請に基づいて財務大臣の確認を受け、通関業者の通関業務に従事する人をいいます。

通関士の仕事内容

貨物を輸出入する場合は、原則として税関へ申告し、必要な審査や検査を受けなければなりません。

通関手続では、貨物の種類を正しく分類し、税率を確認するほか、関税や消費税、輸出入の規制、必要な許可や承認などについて判断する必要があります。
 

通関手続には高度な専門知識が要求されるため、

貨物の輸出入を行う会社は専門の通関業者にいる通関士に 通関手続を代行 してもらうことが一般的になっています。

 

通関士の独占業務

通関士には、通関士でないとできない業務(独占業務)があります。ポイントは次の2つです。
・通関書類の内容を確認すること(審査)
・通関書類への記名(電子申告では識別符号の入力などで代える)


通関書類は複雑で、必要に応じて適切な書類を作成し、提出を行います。

書類のチェックや輸出入するものが法令や規制に違反するものではないか、

関税・消費税が発生するかどうかなどの審査を行います。

 

通関士は、主に次のような点を確認します。

・申告書に記載された内容が正しいか
・貨物の品名や数量、価格に誤りがないか
・貨物の品目分類や関税率が正しいか
・関税や消費税などの計算が正しいか
・輸出入が禁止されている貨物ではないか
・輸出入の規制を受ける貨物ではないか
・必要な許可や承認がそろっているか

申告内容に誤りがあると、税額が不足したり、貨物の輸出入が遅れたりすることがあります。

そのため、通関士による審査は、正確で速やかな通関を行うために重要です。
 

通関士の役割

日本の経済は輸出入に大きく頼っており、経済を回すためには海外との輸出入は不可欠で、輸出入を行うためには通関手続が必要です。
つまり、輸出入を行う会社にとって、通関手続を代行してくれる通関士は欠かせない存在ということです。

通関士には、輸出入をしたい依頼者と税関の間に立ち、貿易が円滑に進むようにする役割があります。

 

通関士になるためには

通関士になるには、まず通関士試験に合格する必要があります。ですが、合格しただけで、すぐに通関士として働けるわけではありません。通関業者が、その合格者を通関士として通関業務に従事させようとするときは、財務大臣へ届出を行い、欠格事由に当たらないことの確認を受ける必要があります。

確認が終わると、通関士証票が通関業者を通じて本人に交付されます。つまり、試験合格、通関業者での従事、財務大臣の確認、この3つがそろってはじめて、実務上の通関士として働ける流れです。

勉強方法

必要な勉強時間

貿易や法律に関する勉強が初めての場合、400〜500時間程度の勉強時間が必要と言われています。

1日2時間の勉強を6ヶ月ほどかけて取り組む方が多いようです。

効率的な学習方法

「通関業法」

通関業者や通関士に関する決まりが出題されます。

主な内容は、通関業の許可通関士の設置通関士の確認通関業者や通関士の義務監督処分などです。

法律の専門用語が多いため、最初はテキストを読んでも分かりにくいことがあります。まず全体の仕組みを理解し、その後に過去問を繰り返すと覚えやすくなります。

条文をすべて暗記するのではなく、次の点を区別して覚えることが大切です。

・誰が手続を行うのか
・誰に申請や届出をするのか
・どのような場合に許可や確認が必要なのか
・どのような場合に処分を受けるのか
・期間や年数がどのように決められているのか

 

「関税法」
輸出入の手続関税の計算保税制度関税定率法関税暫定措置法外国為替及び外国貿易法などが出題されます。

学習する範囲が広く、似た制度や期間も多いため、単に文章を暗記するだけでは混乱しやすい科目です。

次のように内容を分けて整理すると学習しやすくなります。

・輸出や輸入の申告手続
・関税の確定と納付
・修正申告、更正、決定
・保税地域と保税運送
・関税の減免税や戻し税
・課税価格の決め方
・関税率や品目分類
・輸出入の禁止・規制

法律は毎年改正されていますので、過去問の正答が現在は違う可能性があります。法改正に対応しているテキストを用意するなどして正確な情報を勉強しましょう。

「通関実務」

輸出申告書や輸入申告書の作成貨物の品目分類課税価格関税額などが出題されます。

知識を覚えるだけでなく、問題文や資料を読み取り、決められた時間内に申告内容や計算結果を導く力が必要です。

特に申告書問題では、次のような作業が必要になります。

・仕入書などの資料を読み取ります。
・貨物の品目分類を判断します。
・統計品目番号を選びます。
・課税価格を計算します。
・適用される関税率を確認します。
・関税額などを計算します。

通関実務は、問題の解き方を理解していないと時間が不足しやすい科目です。早い時期から過去問や練習問題に取り組み、電卓を使った計算にも慣れておくことが大切です。

通関士の関連資格

通関士におすすめのダブルライセンス

通関士とのダブルライセンスにおすすめな資格は以下の資格です。

①  貿易実務検定
②  国際航空貨物取扱士
③  通関ビジネス実務検定
④  安全保障輸出管理実務能力認定試験(STC Advanced)
⑤  EPAビジネス実務検定
⑥  貿易アドバイザー協会(AIBA)


 

試験の概要

試験会場、都道府県

第60回(令和8年)は、13都道府県で実施されます(北海道、新潟県、東京都、宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県)。
会場の詳細は、税関ホームページに掲載され、受験票にも記載されます。

受験票に記載された試験会場と違う会場では受験できません。

試験日時

試験は年に1回、例年10月上旬 (日曜日) に行われます。
 

第60回(令和8年)は、2026年10月4日 (日) に実施予定です。

 

第60回の試験時間は、次のとおりです。

・通関業法:9時30分〜10時20分
・関税法等:11時00分〜12時40分
・通関実務:13時50分〜15時30分 

試験科目

1)通関業法

2)関税法、関税定率法その他関税に関する法律

  及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)

3)通関書類の作成要領その他通関手続きの実務

受験手数料

書面提出3,000円(収入印紙)を願書に貼付します。(現金・郵便切手・都道府県収入証紙は不可)

NACCS申請2,900円(電子納付)NACCSで願書を出しても、受験票は郵送で提出が必要です

 

※受験票の返送のため、受験票に特定記録郵便の料金分の切手を貼る必要があります。

第60回受験案内では、令和8年7月1日現在の金額として295円分とされています。

試験科目の一部免除申請を同時に行う場合は、返信用封筒に必要な切手を貼るなど、別の指定があります。

合格発表

第60回(令和8年)の合格発表は、2026年11月10日(火)に税関ホームページで合格者の受験番号が掲載される予定です。

また、2026年11月20日(金)に、合格者の受験番号が官報に掲載される予定です。

合格者には、通関士試験合格証書が郵送されます。 

受験資格

年齢や学歴、国籍などの制限はなく、誰でも受験できます。

出題方法

マークシート形式
出題形式は「選択式」「択一式」「計算式」「選択式・計算式」に分かれています。

 

通関業法:選択式35点(10問)+択一式10点(10問)

関税法等:選択式45点(15問)+択一式15点(15問)

通関実務:申告書作成要領20点(2問)/その他実務は選択式10点(5問)・択一式5点(5問)・計算式10点(5問)
NACCSを使う申告の問題が各1問出題されます。

受験申請

第60回では、受験願書は 税関ホームページからダウンロード できます。

ただし、受験票はダウンロードではなく、受験地を管轄する税関の官署などから入手する必要があります。

郵送で請求する場合は、封筒に「願書請求」と書き、返信用封筒を同封します。

受付期間に間に合うよう、早めに請求することが大切です。

受験申請受付期間

第60回(令和8年)から、書面による出願受付は原則として郵送のみです。

各税関での提出方法は、試験実施地を管轄する税関のホームページで確認する必要があります。

 

受付期間は、2026年7月21日(火)〜8月4日(火)です。

書面で提出する場合は、2026年8月4日(火)までの消印があるものが有効です。

ただし、できるだけ2026年7月31日(金)ごろまでに発送するよう案内されています。

NACCSを使用して提出する場合は、受付期間が2026年7月21日(火)午前10時〜8月4日(火)午後5時です。

土曜日、日曜日も受付されます。

ただし、受付期間内に受験手数料を電子納付し、受験票を書面で提出しないと、申込みは無効になります。

受験票の発送

受験票は、出願時に必要事項を記入し、写真を貼って提出します。

出願が受理されると、税関から受験者へ受験票が返送されます。

受験票には、受験会場などの大切な情報が記載されます。

試験当日は、必ず受験票を持参してください。

受験票を持っていない場合は、試験場に入れません。

免除制度

〈試験科目の一部免除〉

一定年数、通関業務や税関等で通関に関する事務に従事していた場合、「試験科目の一部免除」があります。
ただし、免除される科目・必要年数・申請手続は条件で変わるため、受験案内の該当箇所で確認が必要です。
 

合格情報

合格基準

科目ごとの合格基準は、原則として次のとおりです。

 通関業法 合格基準
通関業法満点の60%以上
関税法等満点の60%以上
通関書類の作成要領その他通関手続の実務満点の60%以上

例年、合格発表の際に合格基準は公表されます

令和7年(第59回試験)では、3科目とも満点の60%以上が合格基準となっています。

 

なお、問題が非常に難しかった年度(令和6年・第58回試験)では、
関税法等のみ「55%以上」に調整されたこともあります。
 

合格後の手続

試験に合格したのち、通関業者へ就職すると、通関業者から通関士として届出がされます。財務大臣による確認が完了し通関士として登録されると通関士証票が税関より交付され、ようやく実務に携わることができます。
なお、通関業者や通関業務部門のある企業以外の商社やメーカーなどに勤務する場合は、通関士と名乗ることはできません。

 

合格率の推移

実施年度受験者数合格者数合格率
2025年(令和7年) 6,322人   954人15.1%
2024年(令和6年)6,135人   759人12.4%
2023年(令和5年)6,332人1,534人24.2%
2022年(令和4年)6,336人 1,212 人19.1%
2021年(令和3年)6,961 人1,097 人15.8%
2020年(令和2年)6,745 人1,140人16.9%
2019年(令和元年)6,388人   878人13.7%

合格率は10〜20%台で大きく変動しており、
特に近年は問題の難易度によって年度ごとの差が出やすくなっています。